家へ帰ってすぐ辻本君と時田君の家へ行った。そうしていろいろ話し合った。
というのは、今日同じバスで帰った時、辻本は本に対して読む意欲がわいて来たらし
かったので、岩波文庫の会へ入るようにすすめたら、「入る」と言った。
それがきっかけで本の話をしていると、時田が「僕等で読書会作れへんか」と言い出した。
僕も同じような事を考えていたので、すぐ決まった。その会を「白鳥会と命名しよう」と、僕が言った。
白鳥会というのは『次郎物語』の次郎達の会の名をとったのである。(9月21日)
金井の感想 11月12日(土)晴後曇 |
僕はこの本は小学校の時からあらすじなどは知っていた。
白鳥会は、金井君と井上君を入れて五人でやった。金井君はこの会の感想として
「冗談半分に笑いながらふだけた態度でやると思ったけれど、久保君も時田君も
けじめをつけて、始まると同時に態度がかわった」
と言って感心していた。
今日は大変長時間(三時間)に渡って話し合いをした。こんどからは、記録するため
と、知識を深めるために、「新聞」をつくって、わら半紙に個人の感想、意見、を書き、発行することになった。
「あすなろ物語」をまだ読んでいない 11月18日(金)曇後雨 |
これで一つ僕の信用は落ちた。(11月18日)
発行する「新聞」について話合った 11月19日(土)曇 |
するとおばちゃんが出て来て、まだ帰ってないらしかった。また来ますと言って、
布施へ「あすなろ物語」を買いに行って戻った。
時田君は帰っていた。金井君と僕は途中で会ったので一緒だった。井上君と辻本君はまだ来ていなかった。
僕は本を全然読んでいなかったので、発言はしなかった。僕が発言しないためか、
会ははかどらなかった。というのは、
いつも僕と時田君とばっかりがしゃべって、金井君が入って来てからは少し変化があったが、今日はあまり活発ではなかった。
僕たちはその後発行する「新聞」について話し合った。)(11月19日(土))
今日は前回の白鳥会の続きを、井上の所でした。井上の所と言うのは、彼のおばあちゃんの家がある、浜寺で、そこは家が大変広く、静かで、古風な、美しい感じだった。
白鳥会は「あすなろ物語」である。みんな、真面目に活発に意見を出し合ったが、
みかんやお菓子を出してくれるし、庭のはたなので、ちょっと休む時間のはずが、
自然に長くなってしまった。
「白鳥会ノート」には詳しく内容が書かれてある。まずまずの運営であった。
その休み時間、時田君と二人で、どっちも未熟な(しかしその時は、いかにも
相手の事を知っているらしくして)考えの浅い議論を戦わせた。
白鳥会 名簿 会費20円 |
その後、金井が加わったようだ。
会費20円、合計100円の資金で、新聞を出すつもりだった、もよう。
[白鳥会で読んだもの]
真実一路
黒猫
黄金虫
宮本武蔵
次郎物語
恩讐の彼方に
ビルマの竪琴
人生劇場
あすなろ物語
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