2020年9月8日火曜日

天王寺中学9組 日記 「白鳥会」

 

「読書会を作れへんか」と言い出したのは時田だった。
  家へ帰ってすぐ辻本君と時田君の家へ行った。そうしていろいろ話し合った。
  というのは、今日同じバスで帰った時、辻本は本に対して読む意欲がわいて来たらし
  かったので、岩波文庫の会へ入るようにすすめたら、「入る」と言った。
  それがきっかけで本の話をしていると、時田が「僕等で読書会作れへんか」と言い出した。
  僕も同じような事を考えていたので、すぐ決まった。その会を「白鳥会と命名しよう」と、僕が言った。
  白鳥会というのは『次郎物語』の次郎達の会の名をとったのである。(9月21日)

金井の感想 11月12日(土)晴後曇
僕等白鳥会は、今日、僕の家で開いた。本は「恩讐の彼方に」という菊池寛の作品である。
  僕はこの本は小学校の時からあらすじなどは知っていた。
  白鳥会は、金井君と井上君を入れて五人でやった。金井君はこの会の感想として
  「冗談半分に笑いながらふだけた態度でやると思ったけれど、久保君も時田君も
   けじめをつけて、始まると同時に態度がかわった」
  と言って感心していた。
  今日は大変長時間(三時間)に渡って話し合いをした。こんどからは、記録するため
  と、知識を深めるために、「新聞」をつくって、わら半紙に個人の感想、意見、を書き、発行することになった。
「あすなろ物語」をまだ読んでいない 11月18日(金)曇後雨
僕は白鳥会で決めた本「あすなろ物語」をまだ読んでいない。だから、今日責められた。
 これで一つ僕の信用は落ちた。(11月18日)

発行する「新聞」について話合った 11月19日(土)曇
今日時田君の家で白鳥会をすることになっていたので、僕は二時頃自転車で行った。
 するとおばちゃんが出て来て、まだ帰ってないらしかった。また来ますと言って、
 布施へ「あすなろ物語」を買いに行って戻った。
 時田君は帰っていた。金井君と僕は途中で会ったので一緒だった。井上君と辻本君はまだ来ていなかった。
 僕は本を全然読んでいなかったので、発言はしなかった。僕が発言しないためか、
 会ははかどらなかった。というのは、
 いつも僕と時田君とばっかりがしゃべって、金井君が入って来てからは少し変化があったが、今日はあまり活発ではなかった。
 僕たちはその後発行する「新聞」について話し合った。)(11月19日(土))

 今日は前回の白鳥会の続きを、井上の所でした。井上の所と言うのは、彼のおばあちゃんの家がある、浜寺で、そこは家が大変広く、静かで、古風な、美しい感じだった。
 白鳥会は「あすなろ物語」である。みんな、真面目に活発に意見を出し合ったが、
 みかんやお菓子を出してくれるし、庭のはたなので、ちょっと休む時間のはずが、
 自然に長くなってしまった。
 「白鳥会ノート」には詳しく内容が書かれてある。まずまずの運営であった。
 その休み時間、時田君と二人で、どっちも未熟な(しかしその時は、いかにも
 相手の事を知っているらしくして)考えの浅い議論を戦わせた。

白鳥会 名簿 会費20円
この名簿を見ると、白鳥会は、最初は、辻本、井上、時田、久保の4名で、
その後、金井が加わったようだ。
会費20円、合計100円の資金で、新聞を出すつもりだった、もよう。

[白鳥会で読んだもの]
 真実一路
 黒猫
 黄金虫
 宮本武蔵
 次郎物語
 恩讐の彼方に
 ビルマの竪琴
 人生劇場
 あすなろ物語

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