きつねの おはなし
○ ○ ○
しらはまの ももえ おばあさんが しんだとき
まな は
おんなのこの しんかんせんの え を かいて
ももえ おばあさんに みせてあげたよね
○ ○ ○
その ももえおばあさん が
すんでいた
こざ の いえ の
ことだよ
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うらやま には ほんとうに きつねが すんでいたそうだよ。
○ ○ ○
ももえおばあさんは ちょいちょい きつねに ごちそう を
もっていって やっていました。
その きつねが こどもを うんで おやこで あそんでいるのを
ちょいちょい
みたことが あったのですが
みた ひ は きまって
ももえおばあさんの げた や
おとうと たち の ぞうり が
ちょいちょい
なくなっていた そうです。
そんなときは ももえおばあさんは おにぎりに あぶらあげを つけて きつねの あな の まえへ
もっていって
「これを あげるから わたしと おとうと たちの はきものを かえしておくれ」 と
たのんで かえった
そうです。
すると かならず
あくるあさに
なると
げんかん
の まえに
なくなった はきものが
かえしてあった ので
ももえおばあさんは
「は は~ん
きつねが こどもの おもちゃに
するために もって いったんだな」
と おもった
そうです。
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ももえおばあさんの はなしでは
「きつね というものは
にんげんと
おなじように
はなす
けれども
ことばの はじめは
はっきりしている
のに
しまいのほう
に なると
ぐじゅぐじゅ
に なって
“コン
コン” と しかいわないから よくわからない」
と いっていました。
○ ○ ○
それでも その きつねは ときどき なにか おれいを
もってきた
そうです。
あるあさ げんかんを あけると
ふとった きじ が おいてありました。
○ ○ ○
きつねより ほかに
もってくる と
いうのでしょう?
○ ○ ○
いつも きつねに
しんせつに してやり
こどもを うんだら ごちそうを
もって いって やっていたので
きつねが
「おせわに なりました」 と
おれいに きたんやろな~ と
ももえおばあさんが いっていました。
○ ○ ○
それなのに きつねは ばかしにくることも あったそうで
おまつりに いったまま
なかなか かえってこない ので
「いつまで あそんでいるのだ」
と しんぱいしていると
げんかんの ほうから
「ただいま~! かえったよ~!」
と おおきな こえが しました。
ももえおばあさんは
『 は
は~ん
きつねが わて を
ばかしに きたな
』
『 まだ おまつりの たいこが
ドンドン と なっている ぞ
おまつりは まだ
おわってない はずや のに 』
と おもったので
「こらぁっ! おまえは だれじゃっ!」 と
しかりつけると
それっきり こえが しなくなり
し~ん と
しずまりかえった そうです。
きつねは しかられて
うらやまへ かえった ようでした。
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これは たぼじいちゃんが
ももえおばあさん から きいた
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じゅんじゅん
たんじょうび おめでとう
もう3さいに なったね
まな
たんじょうび おめでとう
もう 5さいの ふじぐみさん に なったね
えいじろう
おくいぞめ おめでとう
ばくばく たべるんだぞ
おとうさん と おかあさん の
いうことを よく きくんだよ
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5さい の まな へ
3さい の じゅんじゅん へ
4かげつ の えいじろう へ
2017ねん3がつ5にち
たぼじいちゃん より