じつはサギにあって 5000円持っていかれました
男は60代の健康的な好男子 表情も爽やか
5月3日
庭で ヒジキを干していると
ときわ寿司の裏にあったアパートに兄が住んでいた
そのアパートの家主を探している
自分は 白浜のむさしで 働いたことがある
ホテルに二泊して今日チェックアウトしようとしたら 財布を落としたことに気がついた
昨夜 出掛けたときに 娘が無くした
フロントに言ったら 支払は二日待ちますと 言ってくれた
アパートの家主を尋ねたい
昔のアパートだから じゃあ調べてあげよう と 知り合いに電話
すると 臨海の某が知っていると判明
それを伝えると
じゃあ 今からそこへ行ってきます
警察に行けば 貸してくれる というと
行って来たけど ホテル代は貸してくれなかった
バスで白浜に来たので 家に帰ってお金を取りに行く
そのバス代がないので 家主に相談に行く
男の横を歩いていた ベビーカーをついた女が 先の道を曲がろうとしているので
男は私と話ながら その女にむかって大きな声で
そこを右や
と叫び
じゃあ 臨海へ 行ってきます ありがとうございました
ベビーカーを追って庭から出ていった
一時間後も庭で ヒジキをゆがく準備をしていたら その男が戻ってきて
会えなかった
2000円あれば帰れるんですが
家に帰って取ってきたい
これは何ですか
ヒジキ 採ってきたので干したり 煮たりしてる というと
始めて見た
と 喜ばせて
3000円でもあれば
と 3000円にアップ
こっちがすっかり信用しているのを見て取った男は
住所と電話番号を書きますから 取ってきたらすぐに
返します
えぇ?鮎川にホタルのカワニナを?そこは私の家の近くですから
来たら 寄って下さい
すっかり信じて 紙と鉛筆を家から持ってきたら
和歌山県西牟婁郡田辺市平尾1586
0736ー
森川秀明
と 書いた
今から思えば すぐにその男の前で ちょっと待てこの番号に電話してみる と 電話すればよかった
今から思えば 泊まったホテル、支払を待つと言ったホテルの名を 聞けばよかった
そのホテルに 電話して この男が泊まったか 聞けばよかった
そのやり取りをしていれば 男は ひるんで来たはず
書いた紙を手渡しながら 男は
バスは白浜から出ていなくて 田辺に出てから 平尾までのらなあかんのです
娘と一緒ですから 5000円でも
今日家に帰って 二三日の内に必ず 返しに来ます
できたら 今日のうちに 手みやげもって 返しに来ます
それを 聞きながら そこまでせんでもええ と いいつつ
手に5000円もって渡す準備をした という間抜けぶり
4日 鮎川にカワニナとりに行き そこから 来たで と電話すると
電話番号は 使われていません と 反復
この時 始めて だまされたと 気がついた